こんにちは。べっちー( @becchie76)です。
前回の記事で、痩せにくさと疲れやすさはいつも浅い呼吸をしているからでは? ということをお話しました。

今回は深い呼吸についての次のお話をしていきますよ。
● それぞれの利点
● それぞれの呼吸の仕方
日常的に深い呼吸をすることによって、痩せやすく疲れにくい健康な身体になることをめざしましょう。
2種類ある深い呼吸
私たちが普段、無意識におこなっている呼吸は胸式呼吸です。胸式呼吸は空気を少ししか取り入れられないので、取り込める酸素の量も限られます。
取り込める酸素の量が少ないと、前回の記事でもご紹介したとおり、痩せにくく疲れやすい身体になったり、自律神経が乱れてメンタルの不調や冷えなどにつながってしまうんですね。
それじゃあ深い呼吸をして、酸素をたくさん身体に取り込もうというのが今回。
深い呼吸といえば文字どおり「深呼吸」がありますが、でも深呼吸を年がら年中するわけにはいきませんよね。
そこで今回は、深呼吸ほど大げさでない次の2種類の深い呼吸についてご紹介します。
● 胸式ラテラル呼吸
腹式呼吸
まずはじめに腹式呼吸から。腹式呼吸をご存知でない方はほとんどいないのではないでしょうか。
お腹で呼吸する腹式呼吸ですが、鼻や口から取り込んだ空気は消化器系の胃や腸に運ばれるわけではなく、これらが風船のように膨らむわけでもありません。
でも腹式呼吸をするとお腹が膨らんでいるように見えます。それななぜでしょう?
それは、腹式呼吸は横隔膜を上下させる呼吸法だから。腹式呼吸で空気を吸い込むと、横隔膜が下がって内臓を押し出します。これによってお腹が膨らむのですね。
そのため腹式呼吸は、横隔膜が上下するから別名「横隔膜呼吸」とも呼ばれています。
腹式呼吸ではなんとなくピンとこないという人も、「横隔膜を上下させる呼吸」と思えば「ああそうか」と思えるかもしれませんね。
なぜ腹式呼吸は優れてる?
そんな腹式呼吸、胸式呼吸と比べて何がそんなに優れているのでしょう。
腹式呼吸は横隔膜呼吸とも呼ばれているとおり、呼吸のときに横隔膜を上下させる。横隔膜が上下されることによって身体に良い作用がもたらされるのです。
良い作用は具体的には次のようになります。
↓
自律神経が刺激を受ける
↓
副交感神経が優位に
自律神経は交感神経と副交感神経の2種類があるのはご存知のとおり。交感神経は活動時に優位になり、副交感神経は休息時に優位になるんですよね。
副交感神経が優位になると、
● 血圧の低下
● 高ぶっていた神経が静まる
などの身体への良い作用があります。だから腹式呼吸は優れているといわれてるのですね。
緊張するとこれを抑えるために腹式呼吸の一種である深呼吸をすることがありますが、深呼吸は決しておまじないなどではなく、人体の作用的に理にかなっていることだったのですね。
胸式ラテラル呼吸
さてお次は胸式ラテラル呼吸についてです。腹式呼吸とは異なり、こちらは聞き慣れない方が多いでしょう。
それに、散々「胸式呼吸より腹式呼吸のほうがいいよ!」とすすめておいて、
と思った方もいるのでは…(汗)
でも胸式ラテラル呼吸はただの胸式呼吸ではありません。
腹式呼吸が横隔膜を上下させる呼吸法なら、胸式ラテラル呼吸は肋骨を左右に広げてする呼吸法です。
・・ 上下の呼吸
● 胸式呼吸
・・ 左右の呼吸
肋骨を広げるから胸式ラテラル呼吸は「肋骨呼吸」とも呼ばれています。
ピラティスやバレエなどで使われたりする呼吸法が胸式ラテラル呼吸。腹式呼吸が身体を動かしていないときにピッタリな呼吸法なのに対して、胸式ラテラル呼吸は有酸素運動のときなどにピッタリな呼吸法なんです。
なぜ胸式ラテラル呼吸は優れてる?
ではなぜ胸式ラテラル呼吸が有酸素運動のときにするときにピッタリな呼吸法なのでしょう。
それは、胸式ラテラル呼吸はただの胸式呼吸とは違って、腹式呼吸と同じように酸素をたくさん体内に取り込める呼吸法だから。
そのため胸式ラテラル呼吸をしながら有酸素運動をすると、より脂肪が燃焼しやすいという効果があるんですね。
ほら、こちらの記事でもご紹介したとおり、



有酸素運動は酸素を消費しながらする運動だから、酸素の量が多ければより効率的に脂肪が燃焼されるというわけ。
リラックスしたいときの呼吸法は腹式呼吸が向いていますが、身体を動かしながらする呼吸法は胸式ラテラル呼吸のほうが向いているんです。
腹式呼吸と胸式ラテラル呼吸のやり方
腹式呼吸と胸式ラテラル呼吸が優れているのがわかったところで、2つの呼吸法のやり方を説明しましょう。
まず大前提として、正しい呼吸法は正しい姿勢でおこないます。
というか、正しい呼吸ができないのは、姿勢が正しくないからともいえますね。猫背で胸やお腹が収縮していると深い呼吸がしにくいですから。
だから試しに、あえて猫背にして深い呼吸をしてみてください。そうすると呼吸がしにくいことがよくわかるはず。
正しい姿勢は身体をまっすぐに。身体を真横から見たら、後頭部、肩、背中、お尻が垂直方向にほぼまっすぐなのが理想です。
前傾姿勢の猫背や後傾姿勢の反り腰だと正しい呼吸がしにくくなります。
呼吸を練習するときだけでなく、姿勢が悪いのは身体によくないので、食事中や仕事中も常にまっすぐな姿勢でいるのを心がけたいものです。
腹式呼吸の仕方
息の吸い方
姿勢を正しくして、まずは息を鼻から吸います。
息を吸うときは身体に力みがないことを意識しましょう。身体が力んでいると上手く吸うことができないからです。「うまく吸えないしなんだか息苦しい」と思うときは身体が力んでいるかもしれないので脱力しましょう。
さらに息を吸うときは、肺の下にある横隔膜が下がる、またはお腹が膨らむのをイメージしましょう。それとともに肺が上下に膨らむのをイメージします。
吸う時間は5~6秒くらい。力んでいたり、息を充分に吐ききれていないと正しく吸うことができないので、身体の力をゆるめ、充分に息を吐ききってから吸うようにしましょう。
息の吐き方
吸った息は口から吐きます。鼻から吐いても構いませんが、口からのほうがより多くの息を吐くことができます。
吸うときは横隔膜が下がってお腹が膨らむイメージだったので、その逆に吐くときは横隔膜が上がる、またはお腹がへこむイメージして、肺が収縮するのを感じましょう。
吸うときは身体が力むのに注意ですが、吐くときは身体は自然にゆるむはずです。
時間は8~15秒くらいかけてゆっくり吐きましょう。そのときは肺の中のすべての空気を吐き出すつもりでおこないます。
息が吐ききれていないと次に息を吸うときに充分に吸えなくなるので、吐ききれるまでゆっくりゆっくり時間をかけます。
胸式ラテラル呼吸の仕方
息の吸い方
胸式ラテラル呼吸も腹式呼吸と同じように、正しい姿勢で身体の力を抜いておこないます。
息を吸うときに肋骨が広っていくのを、そして肺が左右と前後に膨らんでいくのをイメージしましょう。
イメージするのが難しいならば、実際に目で確認してみます。鏡の前で、手を肋骨のある胸の前に軽く置きます。左手は左の胸の上、右手は右の胸の上です。手の向きは、手の指が反対の手の指に相対するように。つまり親指が上を向く位置です。
この状態で息を吸います。息を吸って肋骨が広がると、胸の上に軽く置いた両手が離れていきます。胸(肋骨)が開くので背中の左右の肩甲骨は近づいていきます。これが胸式ラテラル呼吸です。
ただこの呼吸法はちょっと慣れが必要なのではじめは難しいと思います。慣れていないと胸の上に置いた手が思ったように離れてくれません。これは深い呼吸ができていない証拠。深く息ができるようになると肋骨が開くようになっていきます。
しかし、上手くできないからといって無理やり胸を張らないでください。こうすると力んでしまい、深い呼吸の妨げとなってしまうからです。呼吸によって自然と胸を張る状態となるのが望ましい形です。
腹式呼吸と同じように5~6秒でたくさんの息を吸ってみましょう。
息の吐き方
胸式ラテラル呼吸も腹式呼吸と同じように口から息を吐くのが望ましいです。
やはり吸うときとは逆に、吐くときは肋骨が狭まり、左右の肩甲骨は広がり、肺は収縮していくようなイメージでするとよいでしょう。
こちらも腹式呼吸と同じく8~15秒かけて吐ききるのを意識してゆっくりと息を吐きます。
まとめ
今回の記事をまとめます。
● 腹式呼吸はリラックスしたいときにおすすめの呼吸法
● 胸式ラテラル呼吸は有酸素運動時におすすめの呼吸法
● 腹式呼吸と胸式ラテラル呼吸のやり方
胸式呼吸が癖になっている人は、まずは腹式呼吸と胸式ラテラル呼吸を意識しておこなってみてください。そしてだんだんと意識せずにこれらの呼吸ができるようになるのが理想です。
私も理想に向けてトレーニング中です。
深い呼吸ができるようになると、呼吸筋が鍛えられます。そうすれば基礎代謝が上がり痩せやすい身体になれます。体幹が鍛えられて姿勢もよくなります。
それから自律神経が整って疲れにくい身体になれたり、精神的にも安定できるようになります。
いいことだらけなのでぜひ深い呼吸を癖にできるようにがんばってみてくださいね。