IDやパスワード管理アプリケーションID Managerのデータを、同じ機能を持っているアプリKeePassに移行する方法を紹介しています。
目次
Windows以外のデバイスではID Managerが使えない
ID ManagerはIDとパスワードなどのデータを管理するフリーソフトです。
私はずっとID Managerを使ってきたんですが、でもこれってWindows PCでしか使えないんですよね。
そんな私ですが、先日Macを購入しました。
Macを使うにあたって、ID Managerで管理していたIDやパスワードをMacでも簡単に使えるようにしたいと思いましたがID Managerは使えません。
それじゃあどうしようかと思ったところにKeePassという、Macでも使えるID Managerによく似た機能をもつフリーソフトがあることを知りました。
使うアプリを切り替えるのはすぐにできますが、一番の問題はID Managerにすでに登録されてあるデータをどうしようかと。
まさか一つずついちいち手入力するのは面倒ですからね。
でも調べてみると、ID Managerのエクスポート機能とKeePassのインポート機能を使えば、データ移行も簡単にできることがわかりました。
さらにKeePassならばWindowsやMac(macOC)はもちろん、iOSやAndroidなどにも対応しているとのこと。
こりゃいいやってことで早速KeePassに移行することにしました。
ちなみに今回参考にさせてもらったのはこちらのブログです。ありがとうございます。
参考 パスワード管理をID ManagerからKeePassへ移行し、Windows、Mac、android、iOS、どれでも使えるようにする手順ThinkPad X1 Yoga はじめて日記ID ManagerからKeePassにデータ移行する方法
データ移行の大まかな流れは次のとおりです。
- エクスポート
ID Managerのデータをxml形式でエクスポート - 変換
エクスポートしたxmlファイルをKeePassで使えるようにIDM2KeePassというフリーソフトで変換 - インポート
変換したファイルをのKeePassにインポートしてWindowsOS以外のデバイスで使うためのデータベースを作成 - クラウドへ保存
データベースファイルを他のOSのデバイスで使用するためにクラウドなどに保存 - 他のデバイスで使用
他のOSのデバイスでデータベースファイルを使用
それではそれぞれの詳しい方法を見ていきましょう。
1. ID Managerのデータをエクスポート
まずはじめに、ID Managerの登録されているIDやパスワードなどのデータを「○○.xml」の形式のファイルにてエクスポートします。
1-1. エクスポートの前にしておきたいこと
ID Managerのデータをエクスポートする方法はとても簡単。
でもその前に注意してもらいたいことがあります。
何もしないでID Managerのデータをそのままエクスポートしてしまうと、これをKeePassにインポートしても引き継がれないID Managerのデータがあります。
よって、すべてのデータを引き継ぎたいのなら、引き継がれないデータを引き継がれる場所に保存しておく必要があるのです。
なお、引き継がれないID Managerのデータは以下の5種類。
・Item1
・Item2
・Serial Number
・e-mail
・File
引き継がれなくてもいいのならそのままにしておいて構いませんが、引き継ぎたいのならこれらのデータをどこかに待避しておきましょう。
私はID Managerのメモ欄(上記画像内参照)に待避しておきました。
なお、上記5種以外のデータはすべて移行できるのでそのままでも大丈夫です。
1-2. エクスポートを実行
上記の作業が完了したらエクスポートを実行しましょう。
ID Managerのメニューから[ファイル]-[データのエクスポート]-[XMLファイルへの書き出し]を選択します。
そうするとxmlファイルの保存を促されるので、適当な名前を付けて適当なフォルダに保存しきましょう。(ファイル名は「IDM.xml」とでもしておきましょう)
エクスポート作業はこれでおしまいです。
2. xmlファイルをIDM2KeePassで変換
ID Managerでxmlファイルをエクスポートしたものの、このままではKeePassにインポートすることはできません。
そのため、KeePassにインポートできる形式のxmlファイルに変換する必要があります。
これができるのがIDM2KeePassというフリーソフトです。
IDM2KeePassをこちらからダウンロードしましょう。
ダウンロードしたIDM2KeePass.zipを解凍して展開し、中にあるIDM2KeePass.exeを実行してください。
出力形式は「KeePass XML(2.x)」を選んで「変換」ボタンをクリック
1-2でエクスポートした「IDM.xml」を選んで開きましょう。
新たなxmlファイルを作成するよう促されるので、適当な名前を付けて適当な場所に保存します。(名前は「KP2.xml」とでもしておきましょう。)
3. KeePassにxmlファイルをインポート
2で作成したxmlファイルをKeePassにインポートします。
3-1. KeePass 2.40をダウンロードして展開
KeePassのダウンロードページでKeePass 2.40をダウンロードします。
「Portable (2.40)」の「Download Now」をクリックしてダウンロードしましょう。
ダウンロードしたKeePass-2.40.zipファイルを解凍して適当なフォルダに展開してください。
3-2. KeePassを日本語化
必要の場合はKeePassを日本語化しましょう。
日本語化用のファイルを以下からダウンロード。
画面をスクロールして「Japanese」を探して、[2.40+]のほうをダウンロード。
ダウンロードしたKeepPass-2.40-Japanese.zip内にある「Japanese.lngx」をコピー。
コピーしたJapanese.lngxを3-1で展開したKeePass 2.40のKeePass.exeと同じフォルダ内にある「Language」フォルダ内に保存してください。
KeePass.exeを実行してKeePass 2.40を起動します。
メニュー[View]-[Change language…]を選択。
「Select Language」ウィンドウにてJapaneseを選択。
KeePassが再起動されて日本語化が完了です。
3-3. KeePassのデータベースを作成
KeePassではデータベースを用いてデータを管理します。
そのため、まずは空のデータベースを新規作成して、このデータベースに対して2で変換したxmlファイルをインポートするという手順を踏みます。
まずは、まだ起動していない場合はKeePass.exeを実行してKeePass 2.40を起動しましょう。
メニュー[ファイル]-[新規](ツールバーから[新規]でもOK)を選択。
まずはデータベースファイル「◯◯.kdbx」の生成を促されるので適当な場所に適当な名前で保存。(「KeePassDB.kdbx」とでもしておきましょう。)
次に複合マスターキーの作成を促されるので適当なパスワードを入力してこれを作成します。
次にデータベースの設定を行うように促されるが何もせずに「OK」ボタンをクリック。
緊急用シートの印刷を促されるが印刷しないで「スキップ」を選択。
これでインポートが可能となります。
3-4. 変換したxmlファイルをインポート
KeePassにてメニュー[ファイル]-[インポート]を選びます。
「インポートするファイル/データ」ウィンドウで「書式」からKeePassの「KeePass XML (2.x)」を選択。
同ウィンドウの「ファイル」にてインポートするファイルを選んでください。インポートするのは2で変換したxmlファイルです(KP2.xml)。
ファイルを選んだら「OK」ボタンをクリック。
「インポート方法」ウィンドウにて「新しければ上書き」を選んで「OK」ボタンをクリック。
そうすると、ID ManagerでエクスポートしたID/パスワードがKeePassにインポートされます。
インポートしたらメニュー[ファイル]-[保存](ツールバーから[保存]でもOK)を選択してデータベースファイルを上書き保存しましょう。
4. KeePassのデータベースファイルをクラウドに保存
他のデバイスで利用するために、3で作成したデータベースファイル(「KeePassDB.kdbx」)をクラウドに保存します。
iCloud、Googleドライブ、Dropbox、OneDriveなど、あなたが使いやすいもので構いません。
クラウドを使いたくないなら、データベースファイルを他のデバイスで使えるようにSDカードや有線でも手段はなんでも構いません。
同期のための作業はこちらの記事で解説しています。

5. 他のデバイスでKeePassを使う
ここからはWindows以外のOSのデバイスのKeePass系アプリケーションを紹介します。
「KeePass系」としたのは、いろいろ名前のアプリケーションがあるからです。
それぞれのOSでいろいろなアプリがあるので、あなたの好みのものをお使いください。
ちなみに私はMacではMacPass、AndroidではKeePass2Androidを使うことにしました(iPhone/iPadは所有していないのでiOSのものは不使用)。
アプリごとのリンクからそれぞれのダウンロードページが開きます。
5.1 macOSで使えるKeePass系アプリ
5.2 iOSで使えるKeePass系アプリ
5.3 Androidで使えるKeePass系アプリ
5.4 KeePass系アプリの使い方
上記のアプリをインストールして起動したら、4で保存したデータベースファイル(KeePassDB.kdbx)を開いてください。
そうすると自分が登録したIDとパスワードの項目がズラッと一覧表示されるはずです。
これで移行作業がすべて完了しました。
おわりに:データベースファイルを同期して使うには
さて、ここまでの作業を完了させればWindows以外のOSのデバイスで同じIDやキーワードなどのデータを利用できます。
しかしこのままだといずれかのデバイスでデータベースに新たなIDやパスワードを追加したりデータの変更をしても、他のデバイスのデータベースは更新されない……つまり同期されないので、デバイスごとにデータベースの内容が違ってしまいます。
なるべくならどのデバイスで変更しても、変更した内容が他のデバイスにも反映されるように……つまり同期できるようにしたいですよね。
よって次回は、すべてのデバイスで同じ内容のデータベースとなるように、KeePassのデータを同期する方法をお送りしたいと思います。
それではまた!
↓KeePassの同期方法はこちらの記事をご覧くださいませ。



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