あなたの周りに「なに言ってんだ、こいつ?」とつい思ってしまうような人物はいますか?
冗談を言い合えるような親しい間柄だったら「なに言ってんだかわかんねーよw」と笑って済ませられるかもしれませんが、相手が職場の上司だったりするとあなたは毎日ストレスが溜まっているはず。
なにを言いたいのかわからない上司の話を理解できるように解読するという、 労力は要するけれど本来ならばやらなくてもいい無駄な作業をしなければならないから。
それと、そんな上司に「なにを言っているのかわからないんですけど」とでも言おうものなら逆ギレされたりするので、恨まれないためにも本音を心の内にグッとしまっておかなければなりませんから。
ということで今回は、人に何かを伝えようとするのだけど、話の内容がチンプンカンプンでいったいなにを言っているのか分からない人の特徴を挙げてみたいと思います。
目次
なにを言いたいのかわからない人の6つの特徴
なにを言っているのかわからない人の特徴……考えてみたところ6つほど思い浮かびました。次の6つです。
2.余計なことまで伝えようとする
3.唐突に話をはじめる
4.言えばすべて伝わったと思っている
5.言葉が足りない
6.指示代名詞を多用する
ひとつずつ解説してきましょう。
1.要点が何なのかわかりにくい
まず1つめは「要点が何なのかわかりにくい」こと。
要点の意味はググると“物事の大事な箇所”と出ました。
つまり、なにを言いたいのかわからない人の話って、話の内容のどこが大事な箇所なのかがわかりにくいんですね。
よく言いますよね、“結論から話せ”って。でもなにを言いたいのかわからない人って結論から話してくれないんですよ。
笑い話などの物語の結末のことを「落ち(オチ)」と呼びますが、落ちとはつまり結論のことで、笑い話などは落ちが最後にあるから面白いのであって、落ちが最初にあると面白いものが面白くなくなります。
だからなにを言いたいのかわからない人ってひょっとすると、自分の話を面白がらせるためにもったいぶって結論を後回しにするのだろうか? などと勘ぐってしまいます。
「別におもしろい話なんて求めてねーよ、さっさと要点を伝えてくれ要点を」と聞き手は話を聞きながら心の中で毒づいてますが、一応擁護しておくと、彼らは面白がらせようなんてたぶん思っていません。
要点を話の結末で伝えるならまだしも、要点が話のどこにもないなんてことがありますから。
要点がどこにあるのかわからない話を延々として、聞き手のほうが「つまりあなたの言いたいことはこういうことですか?」と要約してあげないといけない人もいますからね、なにを言いたいのかわからない人の中には。
連想ゲームでもしてるんでしょうかね。付き合わされるほうの身にもなってほしい。
とどのつまりなにを言いたいかというと(笑)、なにを言いたいのかわからない人というのは、実際のところ、彼ら自身も何が要点なのかわかっていないということなのです。
要点が何なのかを意識する前に話しはじめる。だから話がとっちらかって、結果的になにを言いたいのかわからない話になってしまうんですねぇ。
彼らの頭の中にはおそらくぼんやりとは要点らしきものがあるにはあるのでしょう。だってそうでなければ伝えようというところまで行き着かないですから。
だからまず彼らが本来やるべきことは、要点をしっかりと言葉にできる状態にする。そしてなおかつ要点を話の最初で伝える。こうすればなにを言いたいのかわからないなんて思われることはないのです。
だから「結論から話せ」だとちょっと曖昧なので、「話しはじめる前に要点をはっきりさせて、その上で要点から話せ」に言い換えたほうがいいのでは? なんて私は思うんですよね。
2.余計なことまで伝えようとする
2つめは「余計なことまで伝えようとする」こと。
余計なこととは要点の付属情報だけれど、要点を伝える段階では特に必要でない情報のことをいいます。
または要点とはまったく関係のない情報……(苦笑)。
なにを言いたいのかわからない人は、要点はいつまで経ってもちっとも伝えてくれないにも関わらず、余計なことはせっせと伝えてくれます。
聞き手は、要点がどこにあるのかわかりにくい話をされると、その話の中から要点がどこにあるのかを探り出そうとします。
しかし彼らは話の中に余計なことをどんどん織り交ぜます。でも話をしているその瞬間は、それが果たして余計なことなのか、それとも要点なのかの判断がつきません。
だから聞き手は話を聞きながらリアルタイムに情報の切り分けをする必要が出てくるんですね。「これは要点につながる重要な情報だぞ」「これは余計な情報だ」みたいに。
しかも余計な話をされればされるほど要点が見えにくくなってしまいます。そうするとそのうち聞き手の脳はオーバーフローを起こし、なにを言いたいのかわからないという結末に至ります。
こんな悲しい結末を招いてしまうのは聞き手の脳のキャパシティの問題でしょうか。
いいえ違います。情報の切り分けをせずに立て板に水がごとくどうでもいい話をする話し手の問題です。
彼らはなぜ余計なことまで伝えようとするんですかね。「自分、こんなことも知ってるんだぞ。すげーだろ」と思われたいんですかね。
すげーよ。すげーすげー(棒)
それとも、「あとで必要になる情報だから今伝えてるんだ」とでも言いたいんですかね。
「それじゃあそれはあとで聞くから、まずは要点だけを伝えてくれ!」と聞き手は思ってるってことを覚えておきたいものですね。
結論。話をはじめる前に情報の切り分けをしてから来い!
とはいえ、情報の切り分けができない情報処理能力が著しく低い人もいるんですよね…。
3.唐突に話をはじめる
3つめは「唐突に話をはじめる」こと。
なんの前触れもなく唐突に話をはじめられると聞き手は困ります。
なぜなら聞き手はまだ聞くための準備ができていないから。
聞き手だって自分の仕事があります。何か他に考え事をしていて意識は別のところにあるかもしれません。
だから聞き手は、「なにを言いたいのかわからない人が今にも自分に話しかけてくるかもしれないから待機モードで待ち受けていよう」と思っているわけでは決してありません。
なのに彼らは唐突に話をはじめます。
話しかけられた人は何かに集中しているから聞いていないかもしれません。もしくは独り言でもしゃべってるのかなと思うかもしれません。もしくは自分以外の他の人に話しかけたのかもと思うかもしれません。
しかし、「ああ、自分に話しかけているんだ」と思ったときには話が先に進んでいたりします。「『○月○日に…』と言ってたようだけど何日だっけ?」みたいに。
その上、要点がわかりにくく、余計な情報がてんこ盛りな話をするものだから、話の最初のほうを聞き漏らしたのもあって早めに脳がオーバーフローを起こします。
この状態では聞き手は情報を整理するのは不可能なので、「スミマセン、もう一度はじめから話してもらってもよろしいですか?」とおうかがいを立てます。
しかしそうすると彼らはなぜか不愉快そうな顔をします。
これは不愉快な思いをさせてしまった聞き手の問題なのでしょうか。
いいえ違います。何の前触れもなく、いきなり話しはじめる話し手に問題があるのです。
話しはじめる前に「ちょっといいかな」の一言くらいあったっていいと思います。それが気遣いってヤツですし、聞き直しや話し直しを防ぐための防衛手段です。
4.言えばすべて伝わったと思っている
4つめは「言えばすべて伝わったと思っている」こと。
要点はわかりにくい。余計なことまで伝えてくる。しかも唐突に。
そんなわかりにくい話をするにも関わらず、垂れ流すだけ垂れ流して満足してしまう人がいます。
彼らは、「今の話で理解できたよな? 理解できてねーとは言わせねーよ。理解できてないなら、それは要約できないお前のせいだからな」とでも言いたげな空気を醸し出します。
要約できないのはお前のせい?
はっきり言ってこれ、責任転嫁ってやつです。
自分の話がわかりにくいことは棚に上げて、話をわかりやすくしようという努力などする気がなく、そもそも自分が説明下手であることすら自覚していないため、責任を聞き手に転嫁する。これが彼らのやり方だったりします。
今や世間的には伝達事項とは“相手がすべて理解してこそ伝わった”と認識されています。相手が理解できるような話し方をしよぜというわけです。
しかしなにを言いたいのかわからない人の頭の中では、『自分が口から発した言葉は自分が思っている通りにすべて相手に伝わった』と自分の都合が良いように捻じ曲げられるのです。
これではコミュニケーションとは呼べません。これではまるで電話の自動音声案内です。電話の自動音声案内ですらプッシュボタンで応答するのに…。
5.言葉が足りない
5つめは「言葉が足りない」こと。
よく「あの人の話は主語がないからわかりにくい」なんてことがいわれるように、主語がない問題はよく取り沙汰されます。
主語を省く人はなにを言いたいのかわからない人の代表格ですが、彼らは主語だけでなく、動詞、目的語、補語のどれかを欠いて話をします。
以前、5W1Hについての記事を書きましたが、なにを言いたいのかわからない人は5W1Hの『だれ・いつ・どこ・なに・なぜ・どのように』を伝えてくれません。

余計なことはしゃべるくせに、5W1Hのいずれかがない。つまり言葉が足りないため結局のところ結論は何なの? となります。
言葉足らずな話をされると聞き手は、
「だれにだよ?」
「いつだよ?」
「どこだよ?」
「なにがだよ?」
「なぜ?」
「どんなやり方で?」
といちいちツッコミを入れています。心の中で。
心の中でツッコミは入れますが、話の前後から言葉足らずな部分が何なのかの察しがつきます。察しがつくのは聞き手が必死に頭を回転させているからですけどね。
でもたまに、ミスがあったりすると困るので、確認の意味も込めて本当にツッコミを入れる……もとい、「どなたにですか?」のような質問をします。
しかしそうすると気の短い彼らはこんなことを返してくることがあります。
「そんなことさっきの話を聞いていればわかるだろうが」と。
いや確かになんとなく察しはつきますがね、でもミスがあったら困るし、誰かに迷惑をかけるかもしれないからと思ってあえて質問してるんですよ?
こんなことが続くとだんだん質問する気がなくなっていきます。
6.指示代名詞を多用する
そして最後です。6つめは「指示代名詞を多用する」こと。
指示代名詞とは「これ」「それ」「あれ」「どれ」などの名詞を簡単に言い表すための便利な語です。俗にいわれる“こそあど言葉”ですね。
なにを言いたいのかわからない人はこの指示代名詞を多用します。
たとえば書類を指でさしながら「これ」。聞き手がその部分に目を向けているなら理解できるかもしれませんが、目を向ける前に話を先に進めるものだから訳がわからなくなっていきます。
言葉足らずなのもそうですが、指示代名詞を多用する人は語彙が少ないのでしょうね。
俗にいうボキャ貧てやつ。ボキャブラリーが貧者または貧困って意味です。死語ですかね、ボキャ貧。
別に難しい語を使ってほしいというわけではありませんが、他人とまともなコミュニケーションがとれるくらいの語彙くらいはあってほしいものです。本を読め本を、という気持ちになります。
まぁ、指示代名詞を多用するのは老化現象とみる向きもあります。老化していて言葉がなかなか出てこない。
でもだからといって、こちらは不明な点があるから質問しているのに、理不尽に不愉快にならないでいただきたいですね。
おわりに:なにを言いたいのかわからない人を反面教師にして自分もなにを言いたいのかわからない人だと思われないようにしよう
繰り返しになりますが、なにを言いたいのかわからない人って、自分の話の内容が相手に理解されていないかもしれないことを自覚していなかったりするんですよね。
もしくは、なんとなく自覚はあるけれど、プライドが高いので自分の能力が低いことを認めたくなくて、認めたくないから不愉快な対応をして応戦する。
思い通りにならないとギャーギャー騒ぐ私の娘(2歳)のようです。
でもまぁ、彼らには彼らの悩みがあるのかもしれません。
でもですね、だからといって不愉快な空気を撒き散らして周りを威圧したり、周囲の人のストレスになるようなことをしてはいけませんよね。
だからこういった人たちにいちいち反抗していたら災いがこちらに降りかかるので、こういう人にはだんまりを決め込んでおくのが一番の処世術です。
私たちができることは、なにを言いたいのかわからない人を反面教師にすることです。ていうかそれくらいしか対処の方法がありません。
意味不明なことを言われたら、「ああ、こういう伝え方をすればもっと伝わりやすいのに」と心の中でダメ出しをするんです。そしてこれを自分自身の糧とするんです。
人生訓とはポジティブなことよりネガティブなことのほうからより多く学べますからね。
そうしていくと他人への説明能力はアップして、いつかあなたが誰かの上司や親や目上の人になったときに、わかりやすい説明をするできたお人だなぁとあなたは尊敬の眼差しを向けられることでしょう。
というわけで今回は、なにを言いたいのかわからない人の6つの特徴をご紹介してきました。それではまた。