そろそろ2歳になる娘がなかなかお風呂に入ってくれない! でも大丈夫。こうすればイヤイヤ期の子どもをお風呂にスムーズに入れられますよ、ということをお送りします。
それとともに、このときに得られたある教訓についてもお送りします。
目次
2歳。自我が芽生えはじめてイヤイヤ期に足を踏み入れる
赤ちゃんのころは文句ひとつ言わず(あたりまえだ)にお風呂に入ってくれた娘。
赤ちゃんのころは別の大変さがありますけれど、2歳ともなると、だんだんと自我が芽生えてきて、俗に言う「イヤイヤ期」に突入します。
そうすると、子どもがなかなか言うことを聞いてくれないんですよね。
だからお風呂に入れるのも一苦労。なんてご家庭の方も多いのではないでしょうか。
2歳。遊びに夢中で大人の言うことなど聞かない
子どもは2歳にもなると、さまざまなことに夢中になります。
ブロック遊びに夢中、お絵かきに夢中、シール貼りに夢中、DVDを見るのに夢中、お菓子を食べるのに夢中、ママの化粧ポーチからお化粧道具を出していじるのに夢中、親の財布からレシートやらカードやらはたまたお札や硬貨を取り出してそれらで遊ぶのに夢中……などなど。
こんなふうにいつも何かに夢中になっているので、子どもは大人の都合の良いように動いてはくれません。
悲しいかな、大人ともなるとしたいことだけをしているわけにはいきませんし、やることが多いので1日の大まかなスケジュールを立てているという方も多いはず。
だから、なにからなにまで子どもに合わせて、なんてわけにはいかないのが一般的でしょう。
子どもの自由な時間の使い方と、大人の縛られた時間の使い方。この2つにギャップが生じてしまい、日夜悪戦苦闘していらっしゃる親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
遊びに夢中で風呂に入ろうとしない娘
私のところでは先日こんなことがありました。
ちなみに娘のお風呂は毎日私が入れています。お風呂の入り方には、私が先に自分の体などを洗ってから娘をお風呂に入れる、または娘を先にお風呂に入れて一通り済ませて娘をお風呂から出してから自分の体を洗う、の2つの方法があります。
その日は前者、私が先に洗ってから娘をお風呂に入れる方法を採っていました。
自分の体を洗い終わったので娘を呼ぶことに(正確には妻に呼びかけるのですが)。
しかし呼んでもなかなかやってきません。「何をしてるんだろう?」と思っていたら、妻だけがやってきて「(娘は)お絵かきに熱中してる」とのこと。
だったら仕方がないかと思いつつ、それなら私はお湯に浸かりながらスマホでも見てしばらく待っていようと思いました。
しかし、そうこうしている間に時間が5分、10分と過ぎていき、さすがにこのままだと自分がのぼせてしまうと心配になってきた私(暑い季節ではなかったのが幸いでした)。
改めて娘を呼んでみます。しかし妻によると娘はまだ遊んでいると。いい加減に業を煮やしはじめる私でした。
娘をお風呂に入れるために妙案を思いつく
妻に「無理やりにでも連れてこい!」と言うのは簡単です。
しかしそれではスマートではありません。無理やり連れてこられて、無理やり服を脱がされることになる娘はきっとギャーと泣くでしょう。それに、妻にもイヤな思いをさせるはず。
そこで私は、娘を泣かせずにスマートにお風呂に入ってもらうため、一計を案じることにしました。
周囲を見回す私。目線の先にはとあるおもちゃがありました。
そのおもちゃとは、「ペン」と「ギン」の2羽のペンギンの人形です。
「ペン」と「ギン」をご存知ない方がほとんどだと思うので説明すると、「ペン」と「ギン」は、ベネッセの1歳・2歳用の教材「こどもちゃれんじぷち」の、お風呂で遊ぶためのすべり台ですべらせるための2羽のペンギンのおもちゃです。
2羽の勇姿がこちら(ご想像どおり、青いほうが「ペン」で銀色のほうが「ギン」です)。

写真だとやたらサイズが大きそうに見えますが、実際はそれぞれ全長5センチ(ちゃんと定規で測りました)のかわいらしいペンギン人形です。(幼い子どもの手でも握りやすいような配慮がされているのですきっと。)
話を戻して、私の目にとまった「ペン」と「ギン」。この2羽を見て私は良いことをひらめきました。これで娘をおびき寄せてやろうと。
私は「ペン」と「ギン」を手に取りました。そしてお風呂の扉を開けて、「ペン」と「ギン」のお尻とお尻を、火打ち石のごとくぶつけ合ってみました。
カンカン! と家のなかを小気味のよい音が響き渡ります。
そうするとどうでしょう。さっきまで別の遊びに興じていた娘が「なんだろう?」という表情で、ひょこっと顔を見せるではありませんか。
そして、タッタと機嫌よさそうにこちらに向かって来る娘。
作戦成功とばかりに心のなかでほくそ笑む私。
娘の「楽しい記憶」を掘り起こす
なぜ「ペン」と「ギン」のお尻とお尻をぶつけ合って音を立てたら娘はおびき寄せられたのでしょうか。
それはですね、過去に娘がお風呂のなかで、自分で「ペン」と「ギン」をカンカン! と音を立てて遊んだことがあるからです。
本来のつかい方とはもちろん異なりますが、幼い子どもは本来のつかい方以外のつかい方をするのがあたりまえ。
以前にも小気味のよい音(とはいってもプラスチックとプラスチックが叩きつけられる音ですけどね)が響き渡っていたので、娘もこれがなんの音だったかを覚えていたんですね。
だからその音を耳にしたら、楽しい記憶が蘇って、お風呂に入りたい気持ちがムクムクと湧き上がってきたというわけです。
イソップ童話『北風と太陽』を体感する
今回のことで私はあるお話を思い出しました。
それは、誰もが知っているイソップ童話『北風と太陽』です。
『北風と太陽』は、あるところに上着を着た男がいたので、北風さんと太陽さんのどちらが男から上着を脱がすことができるかという力比べをするというお話。
結果は皆さんもご存知のとおり。北風さんはいくら勢いよく風を吹いても男は上着を脱ぐどころか、寒いので上着をしっかりと抑えてしまったのであえなく失敗に終わりますが、一方の太陽さんは陽の光をサンサンと照らしたら、男は暑いので上着を容易に脱いでなんなく成功したというお話です。
このお話には教訓があるんですね。北風さんのように力づくで事を成そうとするよりも、太陽さんのように温和な対応をしたほうが、よりよい結果が得られますよ、という教訓が。(太陽の絶対エネルギーがあまりにも大きいから簡単に事を成せるんじゃねーかというツッコミは無しでお願いします。)
後から振り返ると、娘をお風呂に入れるための私の策略も、北風的戦術ではなく太陽的戦術でした。
これによって娘を泣かせることもなく、妻にイヤな思いをさせることもなく、私自身も不快な思いをすることなく、すべてが上手くいったということなのですね。なんてすばらしいことでしょう。
おわりに:感情的にならずに知恵を働かせよう
今回の太陽的戦術は特別なことでもなく至極なんでもないことです。自然にできてしまう人もいるでしょう。
でも成功体験は教訓にしにくいです。だからあえてこうやって、忘れないために記事にまでしてみました。
今回お伝えしたかったのは、力づくでなんとかしようとするのではなく、知恵を使えばうまくいくってことです。
こういうことは子育てのときに限らず、どんな人でも生きていれば頻繁に出くわすシーンですよね。
そんなときにいちいち感情的になっていたら、自分を含めてみんながイヤな思いをします。
だからそうならないために、論理的に知恵を働かせて上手に立ち回ったほうがいいってわけです。
些細なことかもしれません。でも、些細なことだからこそ得られる教訓もあります。だからこれをあなたの教訓にもしていただけたら幸いです。
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