賃貸物件契約時の消臭は不動産屋に任せてはいけない!言い値でボッタクられるぞ!

賃貸物件契約時の消臭は不動産屋に任せてはいけない!言い値でボッタクられるぞ!

2018年12月16日に札幌市豊平区で起こった爆発事故。42人の方が負傷したが死者が出なかったのは不幸中の幸いと言うべきだろう。

ニュースの続報でいろいろな事実がわかってきた。

事故の翌日にわかったのが、爆発元とされる不動産会社の店舗内にてこの店舗の従業員が消臭用のスプレーを100本以上を廃棄処分しようとしたことがきっかけで爆発が起こったということ。

こののち100本以上は120本だと判明。

この時点で多くの人はこう思っただろう。「使用済みのスプレーを廃棄するために穴を開けたのだろう」と。もしくは「スプレー内にわずかに残っていた内容物を噴射して廃棄に備えたのだろう」と。

しかしその後にわかった事実はこうではなかった。

不動産会社の建物をリフォームするために社内に残っていた消臭スプレーを廃棄処理しようとしたのが事実であった。

しかもこのスプレー、使用済みのものではなく、未使用・未開封の新品同様の状態だったというから報道に触れた多くの人が目を丸くしたのであった。

不動産会社による呆れた事実

テレビ朝日のニュース番組『報道ステーション』では事故を起こした不動産会社の元従業員の発言を放送した。

「お店が繁忙期とか忙しいときにお客さんから料金頂いて『抗菌やりますよ』って言ってるけど、後々気が付いて忘れていたことは結構ある(中略)売り上げには抗菌スプレーを使ったことにはなっていて、それが丸々1本残るのはおかしいことなので、どこかで使い切らないといけない」

参考 アパマン、爆発事故で「消臭代」への不満続出「客に1万5000円支払わせて実際は店員がスプレーするだけ」?キャリコネニュース

呆れるポイントが2ヶ所ある。

まずは客からの抗菌代が支払い済みであるにもかかわらず、この処理を忘れていたことが結構あるというところ。

ついこの前、飲食店の予約無断キャンセルの記事で無断キャンセルは債務不履行にあたると触れたがこれもまったく同じことだ。

飲食店の予約無断キャンセルはなぜ起こる?背景に電話嫌いや自分本位な考えが飲食店の予約無断キャンセルはなぜ起こる?背景に電話嫌いや自分本位な考えが

そしてもう1つが、忘れていたのを会社の本部に隠すためにスプレーをどこかで使い切ろうというところ。

これではまるで、翌年度の予算を確保するために今年度の予算を無理して使い切ろうとするどこかの自治体のようである。

人手不足が業務をおろそかにさせる

擁護するところがあるとしたらそれは「忙しいため忘れていた」というところくらいか。

最近は人手不足が深刻化しているため、従業員1人ひとりの仕事量が多くなっているのだろう。

そうすると従業員にかかる仕事の数や量が膨大になり、忙しく働いているうちに見落とされる業務が発生してしまう。

そんななかでも優先順位の低そうな物件の消臭処理は忘れられやすいというのが、使ったはずの未使用のスプレー缶が120本もあったというところからも想像ができる。

もちろん忙しいからといって債務不履行をしていいことにはならないのは当然だが…。

業務とコンプライアンスの軽視

同社が抗菌代を初期費用に上乗せしながら、実際にはスプレーを噴射するだけか、もしくはそれすらしていなかった可能性があることに(後略)

参考 アパマン、爆発事故で「消臭代」への不満続出「客に1万5000円支払わせて実際は店員がスプレーするだけ」?キャリコネニュース

と報道にあるように、物件の消臭処理の優先順位が低いのは、従業員に「簡単な作業」もしくは「やらなくてもどうせバレない」という意識があるからではないだろうか。

簡単な作業と思っているならともかく、やらなくてもバレないと思っているとしたら、企業としてコンプライアンスに問題を抱えていると言わざるをえない。

そもそも、バレないからいいやは程度の低い人間が思う考えである。事故を起こした従業員をはじめ、元従業員にもそういう意識があってそれが他の従業員にも蔓延しているのだとしたら会社自体が何らかのブラック的な問題を抱えていることも想像できてしまう。

目に見えないから意識が低くなりがちな「ニオイ」

「やらなくてもどうせバレない」と従業員が思ってしまうのは、ニオイは目に見えないからだ。

機械を使って臭気判定でもすれば数値化できるニオイではあるが、個人を対象とした賃貸物件ではそこまでしているところはほとんどないだろうし、顧客もそこまで望む人は多くはないだろう。

感覚的に「イヤなニオイがしなければ別にいいか」と思う顧客がほとんどだろうから、不動産会社としても積極的にニオイを除去してやろうと思うわけでもない。

それにニオイは人が出入りをしたり、ドアや窓を開けると自然に軽減されることが多い。そのためこれも不動産会社が積極的にニオイを除去しない理由になっているのだろう。

しかし、積極的にニオイを取らなくてもいい上、顧客は不動産会社の言い値で文句も言わずに抗菌代を支払ってくれるわけだ。そうなると抗菌代はほとんどが不動産会社の利益になる。こんなに“おいしい”ことはないではないか。

こうやって詐欺まがいなことがおこなわれているのが、爆発事故がきっかけで人々が知るところとなってしまったわけだ。

宅建業界がざわつくのが目に浮かぶようである。

抗菌処理は本当に必要なのか?代金は妥当なのか?

この事故は賃貸契約における問題を提起している。

まずは事前の抗菌処理など本当に必要なのかという問題。

そして次に抗菌処理の代金は妥当なのかという問題。

前者に関してだが、抗菌処理などよほどのことがない限り必要ないと言える。先ほども申したように、ニオイなど自然に軽減されるものだからだ。

なかには潔癖な人や前の住人の痕跡を残さないためにすべてをまっさらにしたいと思う人もいるだろう。

でもこの場合でも、消臭処理を業者に一任するのではなく自分でスプレーを買って消臭すればいいだろう。だって不動産会社だってスプレーしているだけなのだから。

抗菌代は1万5000円とのことだが、ホテルでも使っているという事業者向けのちょっと高級な消臭スプレーなら抗菌代の10分の1程度で済む。(それにきっと使い切れないだろうから入居後も引き続き使える)

もしくはこのように除菌も謳っていて家庭向けの消臭スプレーもある。

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よほどのニオイなら自分で業者に頼めばいいが、よほどのニオイの物件に住みたいと思う人がいるだろうか? いるとしてもこういう人はニオイなんて気にしないのでは? ということになる。

しかもそもそも論として、部屋のニオイがもしひどいのならばその処理を負担するのは次の借り主ではなく不動産会社または大家であろう。

抗菌処理の代金は妥当かという問題は精査のしようがないとしか言えない。

価格に見合った本格的な抗菌処理がもし本当におこなわれていてそれを精査したいのならば、自分で実際にその処理現場に赴くか、動画でも撮影してもらって見せてもらうとかするしかない。

私だったらそこまでしなくていいから抗菌の初期費用はまるまるカットしてくださいと言いたくなるけれども。

もし抗菌代を「契約時に支払うのが義務」としているのならそれもまた問題だ。

顧客が不要と思うならば抗菌などの一見ムダに思えるサービスはカットするか、オプションとして顧客がするかしないかを選べるようにするべきだ。

おわりに

不動産業界に限らないが、「その費用っていったい何に使われているの?」と疑問に思うようなブラックボックスとなっているものはあちこちにある

「すべての明細を見せろ!」と顧客が要求すると会社側は「無茶を言わないでくれ」と思うこともあってクレーマー問題に発展してしまうこともある。

しかし会社が確信犯的に詐欺まがいな行為をしているとしたら問題だし、事故を起こした不動産会社だけではなく、「あんたのところもそうなんじゃないの?」と業界全体が人々から不信の目で見られることになれば評判に関わるだろう。

賃貸契約における『礼金問題』が以前世間を騒がせたことがあったが、妙な慣習はすべて取っ払って、ユーザーファーストを徹底してもらいたいものだというところで今回はおしまい。